≪僕の名はGT-RVと言います≫
≪M菱モーター出身です≫
≪どっかの車のネーミングをシャレて作られた車ではありません≫
ギャランスポーツ20160511_00001

≪1994年の10月16日の11時。営業マンに連れられて僕は納車されました。≫

営業マンが,今日から持ち主になるMr.Nを運転席にのせ,自分は助手席に乗り込み,僕の説明をするのを神妙な面持ちで聞いていました。
一通り説明が終わって最後にサンルーフの説明になった時。
ボタン操作の説明をしながら。
「電動サンルーフは,パワーウインドーと同じように手が挟まっても,止まるようにできています」
≪「エ?違うよ」≫と僕。
自分の言った説明を実践してみようとする営業マン。
「こんな風に手が挟まっても・・・・イテテテテ」
「大丈夫ですか?」と運転席で説明を聞いているMr.N。
「アレ~?おかしいな。窓は」
とパワーウインドで試す営業マン。
「イテテテテ」
指を何とか抜き取り,挟まった指にフー,フーと息を吐きかけながら。
「・・・・・高い車だからこうなってるんです・・・・・きっと」
と言う全く不勉強な営業マンの話を聞きながら,言葉に困っている様子のMr.N。
おそらくこの時Mr.Nは,高い車だったらそんな訳ないだろう!って心の中で思っていたと思います。

しばしの沈黙の後
「大丈夫ですか。指が紫色になってますよ」とMr.N

僕とMr.Nの出会いは,こんな脳天気な営業マンによってもたらされました。

退院したばかりで病み上がりのMr.Nは,すぐに車には乗る事が出来なかったらしく。
僕は2週間程駐車場に一人でいる事になりました。
でも時折,エンジンをかけに来るMr.N。
「ウ~ン。新車の匂い・・・いいな~」と言いながら,僕の運転席や助手席。
後ろの座席などに座って,乗り心地を試していました。


Mr.Nが通勤に使い始めて数週間。
僕の足周りに異変が。
左前輪に軋みが出始めました。
そして,運転席の前部から「カタ・カタ・カタ・・・・カタ・カタ・カタ」という不思議な音。
さらに,エンジンが1500回転から2000回転の間で,回転数が脈動し排気が不安定になるのです。
「まるで,不整脈のような感じだな~」と呟くMr.N。

僕は,ディーラーに連れていかれ,メディカルチェックを受けることになりました。
まず問診の結果は
左前輪の軋み : こんなもんです。
運転席前部の異音 : 音の原因が分からないので,検査が必要。
エンジンの不整脈 : 僕にはVR4と言う兄弟がいるらしいのですが,この車も同じ不整脈が有るので問題無。
検査の時は代車を出すので・・・

この結果には,当然不満を隠せないMr.N。
僕を運転しながら「ブツブツ」。

納車したばかりなのに僕のオーバーホールが続きます。
まずは一週間毎に。
でも原因が分からない様子で,Mr.Nに返される。
それの繰り返し。

とうとう,営業マンに対して怒りだしたMr.N。
「だから,誠心誠意代車まで出して対応してるでしょう」と逆切れ。
≪「あ~あ,やっちゃった」≫
「あっそ。それじゃ,こんな車イラナイから返品しますよ。だから全額お金返してよね」
≪「ちょっと悲しい会話に,心を痛めたのです」≫
「それは・・・・・すみません」


その後もオーバーホールが続き。
こんなことがありました。
一度僕を預かったにもかかわらず,電装の専門家の手配がつかず,突然返される事になったのですが。
Mr.Nに引き渡された時,どうも僕は違和感を感じておりました。
交差点にに侵入した瞬間。
「オワッ!!!」とMr.N。
「キキキキキ~」
ハンドルの下のインパネが全て落ちてしまったのです。
走り始める前の違和感はこれだったのですね。

電話で怒りをあらわにするMr.N。

工場長が飛んできました。
Mr.Nが僕のドアを開け。
「見てよこれ。どういうことなの。事故起こすとこだったんだけど」
「すみません。私がチェックしなかったもんだから」
「ハ?」
「申し訳ありません。このことは店長には,何とか言わないで頂きたいのですけど」
「ハ?」
「酷いよね。この間の代車もひどかったよ。ワイパー動かなかったんだから」
「エ?」
「雨降ってきたのでワイパー動かそうとしたら,動かないんだよ。
判る?
殆どメンテされて無いフロントガラスだったから前が全く見えなくなって。
窓から顔出しながら運転したんだぜ。
どんな管理してるの」
「すみません」
「それとね」
「まだあるんですか」
「あるよ一杯。
この間はさ。
カーステレオの電源が入らなかったんだよ。
なんでかな~と思って調べたら,アースが外れてたんだよ。
お粗末だよね」
「くれぐれも店長にだけは・・・お願いします」



僕をオーバーホールした結果判明した事。

〔工場長〕
カタカタと言う音はバルブが揺れる音で。
バルブがゴムの台座にのってるからで,音が出るのは仕方がないみたいです。
どうしても気になるのなら,ゴムの台座を取ってしまい接着剤で固定する事もできますが。
どうしますか。
と言うものでした。

〔Mr.N〕
バルブをゴムの台座に付けたのには,なんか意味があるんでしょう?
闇雲に部品点数増やす理由ないよね。
仮にそのゴムが振動防止のための防振ゴムだったとすればだよ。
ゴムを取ってしまったらまずいんじゃないの?
防振ゴムの台座に乗っていてっも振動してるってことはだよ。
防振ゴムのバネ係数をきちんと考えて選んでないってことになるんじゃないの?
この疑問に答えられる?
本社の設計に確認すべきじゃないの?
それもしないで,現場だけの判断でそんな乱暴な事して大丈夫なの?
不具合の報告とかちゃんとしてるの?

〔工場長〕
大丈夫です。

〔Mr.N〕
何を根拠に言ってるのか判りませんけど。
明確な根拠を示してもらわないと,同意はできませんね。

≪僕のせいで,皆がギクシャクしてる。でも・・・どうしたらいいんだろう≫


結局,物別れに終り。

≪僕は,オーバーホールの前と変わらない状態で,申し訳ないと思いつつもMr.Nの元へ。≫



その後の僕はと言うと。
山形と仙台で事故にあいました。

山形は
対向車線の車が僕への目測を誤り,無理な右折をし始めたところで目測の誤りに気付いたのか,車線を塞いだところで停止してしまったのです。
僕は,止まりきれないので,そのまま行けば正面衝突は免れない!と思った瞬間。
Mr.Nがブレーキを踏みながら左にハンドルを切り,ギリギリのところで車をかわすことができました。
しかし,車はスリップしたまま,縁石に左側のタイヤをぶつけて停止。
購入当初から気になっていた軋みのある左前輪です。
≪「あ~あ。これでうやむやになってしまったね」≫
ステアリングは右に10度以上曲がり,ホイルがボコボコ。
しかしパンクはしてませんでした。
相手は全く無傷。
右折車両の相手は,車を脇に寄せて降りてくると。
名刺を出しながら「何とか穏便に願えませんでしょうか」と,いきなり。
「どういうことですか?」
「警察は呼ばないで欲しいんです。この辺りで事故が大っぴらになると困るもので」
名刺をみてみると,名前の右側にやたら肩書きが書いてある。
でも,良く判らない肩書の羅列でしかない様にも見えましたが。
取りあえず地元の自称名士という事にしておきましょう。
その自称名士の事を信じたMr.N。
連絡先を確認して,何とか車を動かし帰宅。
そしててディーラーへ。
≪僕は警察を呼ぶべきだと思ったのです。≫
≪同乗していたkeiさんが軽いムチウチになっている様でしたから。≫
後日修理見積りの金額を地元の自称名士さんに連絡すると。
お宅もスピード出し過ぎだったんじゃないのとゴネ始める始末。
いろいろあったようですが,最終的には支払われたようです。


仙台は
市内でも指折りのデカイ交差点。
ルート4に接続する,左折2車線,直進3車線,右折2車線の道路です。
右折車線の左側の車線でルート4に侵入を図るべく右折待ちをしてました。
右折の矢印が出ても直進して来る車がとても多い交差点なのです。
右折の矢印がでても直進してくる車にMr.Nは,苦々しく思いながらクラクションを鳴らし右折してました。
この時は,もう来ないだろうと高を括って右折ししかけたのだろうと思います
当然右折の矢印が出ているのを確認して右折を始めたのは僕が承認です。
右折開始と共に,僕から見て直進の一番右端の車線から車が飛び出してきたと思った瞬間。
後部左側座席の扉に衝撃が走りました。
僕をルート4の側道に移動し,お互いに怪我のないことを確認した後は,警察を呼ぶために電話のある場所をそれぞれ探しにいったようです。
Mr.Nは電話が見つから無いようで,なかなか戻ってきませんでした。
そして,先に相手が戻ってきて,警察も来てしまいました。
その時僕は聞いたのです。
青で直進したところに僕が右折してきたのでぶつかったのだと言ってるのを。
有る程度事情聴取が終わりかけた時,Mr.Nが戻ってきました。
警官たちは,Mr.Nが車を置いて逃げたことも想定していたようで。
Mr.Nに対する事情聴取は熾烈を極めました。
結局相手の言い分が通り,直進車進路妨害で切符を切られることになったようです。
相手は高校の数学の教諭だという事が分かりました。
現場をしばらく離れていたことで,警官の心証をかなり悪くしたようで。
それが原因だけとは思えませんが,直進車進路妨害で青切符を切る事になった理由の一つだとは思うのです。
更にこれには尾ひれがついていて。
明日の午前中までに罰金を支払わなければ,赤切符にすると言い出したのです。
そして,罰金を納めた証拠にfaxをよこせと。
そのfaxが来なければ赤切符に切り替えるとまで。
この時のMr.Nの顔は明らかにひきつっていました。
この時の警察官の名は武者といいました。
赤切符の話が出た時,Mr.Nが名前を確認していたのを僕は聞いていたのです。

その後,自動車保険の担当者と話すのを聞いていた時,担当者はこの武者という警官を訴える事も出来ますがどうしますかと確認してました。
僕は訴えるべきだと思いましたが,Mr.Nは仕事上の問題をたくさん抱えて,テンパってるようで断念したようです。
僕はどんなことが有ろうとも,この警官を訴えるべきだったと確信しています。




僕を襲う更なる悲劇。
  • フォグランプ
  • ランプ交換をオイル交換の時一緒にお願いしたら,BOSCHのロゴがついてるカバーが上下逆さまになっていた。

  • ファンベルト
  • ファンベルトの鳴きが酷く,Mr.Nは僕のボンネットを開けてスプレーしながら走っていた。

  • ミッションオイル
  • 交差点内に入る時,ギヤチェンジしようとクラッチペダルを踏んだ瞬間。
    突然「スカッ」と言う感じでペダルが奥までいったまま,戻らなくなり,ギヤが入らなくなった。
    惰性で交差点は抜け出る事は出来たものの。
    ギヤはもう入らなくなった。
    幸い家から近かったので,僕は道の端をMr.Nに押されながら帰りました。
    ≪人に押されて走るのは初めてで,何か変な気分でした≫
    修理の時。
    Mr.Nはミッションオイルが急に無くなってしまう理由を聞いてました。
    しかし,漏れた理由の説明が全くないまま。
    「前兆があるはずだから気付かないのがおかしい」の一点張りに,Mr.Nは激怒していました。

  • プロペラシャフト
  • 坂道を下ってる時,道を間違えたことに気付き,後方を確認しながらバック。
    ≪そのとき「バキ・バキ・バキ・バキ」と言うものすごい音が僕の内部からしました。≫
    ≪背骨が折れたかと思いまいした≫
    Mr.Nがそのまま僕に乗ってディーラーへ。
    結果は,プロペラシャフトの問題で,交換しないと解決しない。
    修理見積りは数十万との回答を受けたようです。

    このころのMr.Nの気持ちは,僕から離れだしていました。
    このプロペラシャフトの不具合を契機に,悲しい事ですが買い替える事を考えていたようです。

    僕に乗ってディーラめぐりを始めたMr.N。
    僕の代わりの車のカタログを,集め出していました。
    そんな時,ディーラーからプロペラシャフトは保証期間内なので無料だという事。
    (このころから,あの忌まわしき隠蔽のうわさが広がり始めていました)
    そして交換のための費用も無料と言う連絡があり。
    交換することを決断したようです。
    ですから,僕とMr.Nとの関係は,まだもうちょっと続くのですが・・・




そしてその一年後。
違うメーカーの営業マンが僕を運転してました。

真冬の寒い朝。
僕のタイヤハウスで暖を取っていたネコさん達の事を思い出しながら・・・
08
≪「さようならMr.N」≫












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